・はじめに | ・カワハギのハリについて | ・周りの人を見よう |
・タックルについて | ・カワハギのハリの形状について | ・カワハギ釣りにおける釣り座の有利不利 |
・餌について | ・カワハギの釣り場 | ・外道について |
・餌の固さについて | ・釣り方について | ・アイテムについて |
・仕掛について | ・カワハギを掛ける、そして巻き上げる | ・カワハギの持ち帰り方 |
・さいごに |
カワハギ釣り。どんな釣りでも奥深いものですが、この釣りほど釣り人を悩ませる釣りはそうそう無いのではないでしょうか。
自分の釣り人生で一番苦しんだ釣りと言っても過言ではありません。
今でこそ、それなりの釣果が出せるようになりましたが、カワハギ釣りを始めて1年目・2年目と二年連続で初日は船中で唯一のボウズでした。
そんな自分が釣り方講座の執筆をしていいのかなとも思いますが、せっかく依頼が来たので頑張ってみます。
なお、なるべく分かりやすく書くつもりなのですが、おそらく長くなってしまうと思いますのでそこはご了承下さいm(__)m
昨今、カワハギタックルの進化はめざましいものがあります。
当然格差が出てくるわけで・・竿に限っても、数千円のものから数万円を超えるようなものまで存在します。
もちろん値段の高い竿ほど質が良い可能性は高いわけですが、同じ値段の竿でもいろいろなタイプが存在します。
なので、我々が竿を選ぶ時には硬さや長さ、重さなどを見て自分に合った竿を見つける必要があります。
ではまず竿の硬さについてです。
カワハギ竿は基本的には8:2もしくは9:1と表記される先調子(竿先だけ柔らかい)の竿です。
これは竿先でアタリをとり、硬い胴の部分で掛けるイメージで作られているからです。
そのイメージで統一されていても、各竿で硬さには差があります。
大まかに言えば、柔らかい竿ほどアタリは竿(特に竿先)に出やすい訳ですが、あまり柔らか過ぎるとアワせを入れるときに遊びがあるので初心者は扱いづらいかもしれません。
ただし、魚が掛かった後は竿の柔らかさが魚の引きを吸収してくれるので、バラシは少ないです。
逆に硬い竿の場合、初心者にはアタリが感じづらいのですが、遊びが無い分だけ扱い易く、タタキ等の動作もしやすいわけです。
ただし、先程の逆で柔らかい竿に比べて魚の引きを吸収しないので、掛かり所が悪いと巻き上げ途中でバレやすいです。
次に竿の長さについてですが、現状は1.7~2.0メートル前後の竿が主流になっています。
僕もこの長さで良いと思います。
2.0メートル以上の長い竿を好む人もいますが、あまり長いのも短いのも扱いづらいです。(長いと竿を重く感じるかもしれません)
最後に竿の重さです。
これは間違いなく軽ければ軽いほどやりやすいです。
というのもカワハギ釣りは基本的には竿を1日手持ちで釣りますし、動作も多いので体力を使います。
軽ければ軽いほど体力は持ちますし、イコール集中力を保つ事にも繋がります。
以上の事を頭に入れながら、竿選びをしてみて下さい。
なお、世の中にはクジラの髭などの希少な素材を使ったものや手作りの和竿もあります。
それぞれに味があって質の良い物もあるのですが、保管に気を使うものもあるので、これからカワハギ釣りを始める方は最初にこういった竿に手を出すのはやめましょう。
続いてリールについてです。
リールは小型両軸リールをお奨めします。
スピニングリールでも出来ないことはないですが、細かなタナ取りや着底後の糸フケ防止の観点から考えると両軸リールの方がやりやすいです。
また、最近の竿はトリガー(指を掛ける部分)などが付いていて両軸リール対応になっているケースが多いですので将来の竿の買い替えなども考えると・・です。
リールに巻くラインですが、最初はPE1~1.5号くらいがやりやすいでしょう。
釣り慣れた人の中にはPE0.6~0.8の細いラインを好む人も多くいますが、当然ながら強度に不安があるため最初から挑戦するのはあまりお奨めしません。
(他の釣りで使用経験あるなら別です)
細いラインを使うメリットは、潮の抵抗を受けにくい(ラインが水中に真っ直ぐになりやすい)ということと、感度アップです。
釣り慣れて自信がついてきたら細いラインにも挑戦してみて下さい。
カワハギの餌は基本的にはアサリの剥き身になります。
他にもイカや甘エビ、青柳、アオイソメ等を使う人もいますが、船宿支給の餌は大半はアサリですので、ここではアサリの剥き身を使った場合について記載します。
船宿支給のエサの場合、以下のいずれかの支給方法が一般的です。(船宿によっては選べるケースもあります)
①殻付きで支給される
②剥き身(生)で支給される
③剥き身(塩漬け)で支給される
④冷凍パックで支給される
先述したように、塩を使うことで餌の固さを調節することが出来ます。
ではどんな時に固さを変えるのが有効でしょうか?
まずは柔らかい餌が有効になるケースから・・
通常のカワハギ(特に高活性のカワハギ)は餌をいわゆるツンツルテンにしてきますよね?
ようするにキレイに完食し、お残しをしません。
が、一年中カワハギ釣りをしてみると、必ずしもそうとは限らない事が分かってきます。
特に厳寒期に多いのですが、間違いなくカワハギなのにアサリの柔らかいワタの部分だけを食べて、ベロ等の固い部分を残してくる個体がいるのです。
場合によっては1日中そんなカワハギばかりの事もあります。
こんな時「今日は渋かった」の一言でかたしてしまう釣人がいます。
餌が全て無傷で戻ってきてしまうならお手上げなのは分かります。
しかし、ワタしか食べなかったとしても、カワハギは食欲が無い中でも餌に反応している訳ですから、何かしら対策があると前向きに考えましょう。
ここで餌の固さに注目するのです。
カワハギがワタしか食べないということは、ベロ等の固い部分まで食べたい程の食欲が無いと考えられます。
そしたら餌を全体的に柔らかくしてあげたらどうでしょう?
ベロをワタほど柔らかくすることは出来ませんが、なるべく近くなれば一緒に食べてくれる可能性は上がります。
人間で置き換えるならば、固い餌がフランスパン、柔らかい餌が食パンと考えるとイメージしやすいと思います。
食欲が無い時に、フランスパンを出されたとして・・柔らかい内側は食べれたとしても固いミミまで食べるのは面倒だったりしますよね?
でも食パンくらいの柔らかさのミミなら・・・?
僕はそんな些細な発想で餌の固さを変えます。
柔らかい餌を試してみて、結果お残しが減ったら・・それがチャンス到来のサインです☆
逆に固い餌が有効となるのはどんなケースでしょうか?
1つはカワハギの活性が非常に高くて直ぐに餌に反応するにも関わらず、アタリが出せない(感じ取れない)ままツンツルテンにされている時です。
餌が固いとカワハギは一撃で餌を食べ切る事ができない為、餌にアタックしてくる回数がどうしても増えるのです。
もう1つは、これも先述しましたが、キャストしたり激しい誘いを取り入れたりと餌にかかる圧力が高い時です。
餌が固ければハリからのズレを少なくする事が出来ます。
ただこちらに関しては餌付け方法での工夫も平行して検討しましょう。
カワハギは主に海底付近を泳いでいるため、必然的に仕掛けは底を攻める形になります。
が、天秤を使うような吹き流しの仕掛けで釣れるほど甘くはありません。
ご存知のとおり、カワハギは『餌取り名人』の異名があるほどの曲者だからです。
よって、錘が下になる『胴突き』と呼ばれる仕掛けでアタリを取りながら釣るのが主流になっています。
針の数は大体3本が基本です。別に1本でも5本でも構わないですが、少なすぎると一度アワせに失敗したら次のチャンスが無くなってしまいますし、逆に多すぎると餌付けに時間がかかり手返しが悪くなるので丁度良い3本前後が今は好まれています。
そして錘から一番上の針までが大体50cm以内に収まっています。
これは、先述したようにカワハギが主に海底付近を泳いでいるためです。
最初は既製品の仕掛けで初めてみましょう。その後慣れてきたら自分の好みの針の間隔で自作してみると楽しいですよ☆
ちなみに既製品の仕掛けの中には針の位置を自由に変えられるものもあります。
現在、店頭等ではカワハギを対象として数多くの種類のハリが販売されています。
DAIWA製品で考えてみても、フック、ワイドフック、パワーフック、スピード、パワースピード、マルチ、パワーマルチなど・・
そして各々にサイズ違いが複数ある状況です。
もう自分の好きなハリが決まっているベテランは良いですが、始めたばかりの人の中には「どれを選んだらいいのやら・・・」と思った人も少なからずいるはずです。
結局のところは『釣り方や釣行日の状況、魚のサイズによって使い分ける』。
ちょっと堅苦しく言えばこれが正解なのです。
が、そんなのが明確に分かるならみんなとっくにトーナメンターレベルです(^_^;)
いろいろ意見あるかと思いますが、僕個人としては初めての人はまずは基本的なハゲ系のハリ(中位のサイズ)を使った仕掛けで始める事を奨めます。(DAIWAで言えばフック4~5号位)
元々ハリが結び付いている既製の仕掛けでも、フックビーズ等を使っていてハリを後付けするタイプでも構いませんが、後者の場合は糸付きハリを別に用意する必要があります。
昔はカワハギ釣りと言えばハゲ針だったそうです。
しかし現在ではいろいろな形状のハリが売られています。
先述したように、その日の状況や釣れている魚の大きさなどによって選べればベストなのですが、ある程度のベテランでなければなかなかその判断はつきませんので、まずはそれぞれの形状の特徴、そしてそれぞれの利点・欠点を把握することから始めましょう。
ここではダイワ製及びがまかつ製のハリを例に紹介します。
☆フック(いわゆるハゲ針)
一番スタンダードなハリと言えます。どんな状況でもとりあえず大ハズレとなる事が少ないハリですので初心者にはオススメです。
☆スピード・競技カワハギ「くわせ」
カワハギはついばんだり、吸い込んだりして餌を食べます。このタイプのハリ形状は他の形状に比べて細く(フトコロが狭く)作られていますので、カワハギに吸い込ませやすくなっています。
ハゲ針系とは大分形が違うので、最初は餌付けがし難いかもしれません。が、テンションを抜いた釣り・しっかり喰わせる釣りを中心にしている場合は是非試してみてもらいたい形状です。
逆に欠点としては先述したようにフトコロが狭いのでハリ掛かりしたと思ってもすっぽ抜けたりするケースがやや多いかと思います。
また、針先はカワハギ針の中では一番内側を向いていますのでアタリが出たら即合わせするような釣りには向かないと思います。
「吸い込みやすく、吐き出しやすい」そんなイメージです。
☆ワイドフック
ようするにこちらはスピード系とは逆で、「吸い込ませにくいが、吐き出しにくい」そんなイメージです。
この針はフトコロが広く造られています。よってカワハギの口の中には一番入りにくいのですが、入ってしまえばすっぽ抜けたりすることは少ない事になります。
また、カワハギ針の中では一番針先が外側に開いていますので(厳密には本当の先端は内向きですが)先述したようなアタリで即合わせしたい場合は掛けやすいかもしれません。
欠点としては先述したように吸い込みにくい(=餌を食べづらい)ので、その日の魚の食いによっては全く力を発揮しないケースがあります。(既製のハリスが太めなのも一因かもしれません)
☆「パワー」と名の付くハリ
それぞれの形状の頭に「パワー」と名の付くハリがあります。
パワーフック・パワースピード・パワーワイドフックなどです。
何が違うのか?
簡単に言えば軸が太いので丈夫なのです。
掛けたカワハギが大型であった場合は勿論、掛けた場所が悪かったりするとハリを伸ばされたり、折られたりするケースがあります。
その点では太軸のハリの方が、そのリスクは少ないため安心です。
ただ、これもあくまでイメージ的な部分も多いのですが、「太軸な分だけハリが重い」とか「太いからカワハギの餌への食いつきが悪い」といった意見があるのも事実です。
カワハギ釣りに限らずですが、全ての船宿が同じポイントで釣りをしているわけではありません。
よって当然、それぞれのポイントの特徴の知識、対策案を持っているほど有利です。
東京湾周辺だけでも、竹岡沖、剣崎沖、久里浜沖、野比沖、勝山沖、富浦沖、城ヶ島沖、金谷沖、佐島沖、小網代沖などなど、沢山ポイントが存在します。
そしてそれぞれのポイントに地形や潮の流れの特徴があり、それによってカワハギのサイズ・外道の多さ・根掛かりの有無などが変わってくるわけです。
「そんなのは少しやってみれば分かる」と思う方も居るでしょうが、さてポイント毎に一投目から見当違いな方法で攻めてしまって躓いたら、1日通したら大きな差になってしまいます。
根が激しい場所なのにいきなりキャストしてしまい根掛かりしてしまったら‥‥、ワッペン主体のポイントなのに、大型対策の針・餌サイズで始めてしまっていたら‥‥。
仕掛け・針の交換ともなれば大幅なタイムロスですよね‥。
無理に各地の船宿へ行くことはありませんし、常宿があるのは大切だと思います。
ただ、もし大会などでの活躍を夢見ているのであれば、その大会の開催される船宿へ出向きプラ釣行しておくのは決して損ではないはずです。
更に言えば、船長それぞれにも得意な(好きな)ポイントがあり、流し方や移動のタイミングなどに特徴もあります。それらも把握しておければ尚良いです。
一言で「釣り方」と言っても、カワハギ釣りには非常に多種多様な釣り方が存在します。
カワハギ釣りを少しでもかじった事があれば、タタキ・弛ませ・這わせ・宙釣りなど色々な動作表現を聞いたことがあるはずです。
そのため何を奨めて良いのか迷うのですが、とりあえず各々の動作とそのメリット・デメリットを紹介します。
◆タタキ
竿を小刻みに強く上下に振ることで仕掛け全体及び餌を振動させ、カワハギに存在をアピールする動作です。
支点に出来るため中錘を付けるのが一般的ですが、何も付けずに行う人もいます。
メリットは上記のとおり、餌の存在を強くアピールできるためカワハギの食い気を誘えます。
また、多少荒れている海でも潮が速い海でも、中錘の重さを変えることで対応出来ます。
逆にデメリットとして、活性が低い(食い気の無い)カワハギにはかえって逆効果になる事があります。
また、1日通してタタキ釣りを行うことはそれなりに体力を消耗します。イコール集中力の低下にも繋がるので覚悟の上で行ってください。
◆弛ませ
これも中錘を使うとやりやすい動作です。
読んで字の如く、錘着底後ゆっくり仕掛け全体を弛ませて(送り込んで)いきます。
この時に中錘があれば弛ませるスピード等が調節できます。
ある一定の弛ませ具合で固定する釣り方も、ゆっくり弛ませる動作を繰り返す釣り方も存在します。
後述する「這わせ」等も同様ですが、ラインのテンション(張り)を抜くことで違和感無くカワハギに餌を食べさせる事が出来る(メリットがある)わけです。
逆にデメリットとして、弛ませているがためにラインを張った釣り方に比べてアタリがダイレクトに手元に伝わりません。
全く伝わらないわけではないのですが、荒れた海や風の強い日はさらに感じ取れないため、聞き上げ(後述します)動作が重要になります。
◆這わせ
基本的には弛ませの延長と思ってもらっても構いません。
これも読んで字の如く、仕掛けを弛ませていって最後は海底に這わせるのです。
底に沈んでいる餌をついばんで食べるカワハギに合わせた釣り方です。
メリットとしては「弛ませ」以上にテンションが抜けるのでカワハギに与える違和感はさらに無くなりますし、カワハギは必ずハリの上から口を使ってくる事になります。
デメリットとして、底にいる外道の格好の捕食対象になってしまうという事。また、根掛かりが増える事も想像に難しくないはずです(なのでなるべく砂地でやりましょう)。
この釣り方もアタリは伝わりにくいので、聞き上げが重要になります。
◆ゼロテンション
錘を着底させた状態で竿先とライン(道糸)とが直角になった状態です。
つまり、「張ってもいないけど、弛んでもいない」という中間になります。
上述したように「弛ませ」「這わせ」はアタリが出にくいわけですが、このゼロテンションは上手く扱えれば「テンション(張り)を抜いているのにアタリが出る」という状態を作り出せるわけです。
が、デメリットとして悪天候に弱いと言えます。静かなプールでやるのならともかく、波のある海で長時間ゼロテンションを続けることはかなりの集中力を必要とするのです。
ここに強風という要素まで加わったら、まずナギの日と同じようにはいかないでしょう。
◆宙釣り
錘を底から離した釣り方になります。
仕掛けを浮かせることで海底付近の外道を避けられ(外道の項参照)、かつ浮いているカワハギをダイレクトに狙えるわけです。
ある水深でずっと固定し、ただじっとアタリを待つ方法もありますし、揺らしたりタタいたりして誘いを入れる方法もあります。
どれだけ底から浮かせるかは状況によるわけですが、宙釣りをメインにしている人に聞いたところ、底荒れ等で極端にカワハギが浮いている時は3~4メートル浮かせることもあるそうです。
メリットとしては、上記したように外道を避けられる点以外にも、ラインが張っているためアタリがダイレクトであるということが挙げられます。
逆にデメリットとして、カワハギが浮いていればハマれる反面、全く浮いていない時にはおいてけぼりになってしまうリスクがあります。
◆聞き上げ
これは誘いの動作というよりは主に掛ける動作及び確認の動作と言ったほうが分かりやすいかもしれません。
各動作中に魚のアタリを感じた時、竿をゆっくり持ち上げてハリ掛かりさせようとするのが「聞き上げ」です。
ただしカワハギ釣りにおいては、弛ませ・這わせ等のアタリが出にくい釣り方の場合はもちろん、本来アタリが出るはずの釣り方をしている時であっても、それを掻い潜られて気付かないうちに餌をかすめ取られる事が多々あります。
そのため、アタリが無くても、ある一定の間隔で確認をする必要があります。そうしなければ餌無しの状態で釣りを続けてしまいかねないのです。
この時に用いられるのも「聞き上げ」です。
例えば弛ませている場合、「弛ませてから何秒」と決めて竿をゆっくり持ち上げます。(※竿先だけでやらず、竿のしなやかさを利用して竿全体でやりましょう)
実際の現場では、この動作でカワハギが掛かる事が多々ある筈です。
魚が掛かった感覚があれば、そのまま巻き上げに移りましょう。
他にも、カワハギ釣りでは(それのみでは釣り方とは言うには弱くても)たくさんの動作が用いられています。
◆誘い下げ
仕掛けを底から数メートル浮かせた状態で揺らしながら(誘いながら)少しずつ下げていく
◆底トントン
錘で海底をトントンたたく事でアピールする
◆根歩き
錘を持ち上げて、潮による船の動きや竿の操作によって仕掛けの位置を変えること。
◆キャスト
投げて広く探る事でカワハギを探す。(この場合は錘を底に付ける事になり、仕掛けは斜めになりやすい)
◆くゆらせ
集魚板や中錘を用いて、仕掛けを揺らす動作。タタキよりゆっくり、弛ませよりは早く上下させる。
ここまでで幾つかの動作を紹介しましたが、前半で紹介した内の1つをチョイスして1日やれば良いわけではありません。
1つの動作だけでも一応幾らかは釣果が上がるとは思いますが、状況によって使い分けたり幾つかの動作を組み合わせて使うことによって、より効果を発揮したりするのです。
以下に組み合わせの例を紹介します。
◇タタキ+弛ませ(or這わせ)
一番耳にしたことがある組み合わせかもしれませんね。
厳密には「タタキ→弛ませ→聞き上げ」の繰り返しになります。
◇タタキ+ゼロテンション
底で釣りがしたいが、アタリが出る状態でやりたい人が用います。
◇くゆらせ+弛ませ(or這わせ)
集魚板等で誘いをかけて魚を集めたあとに、弛ませる事で餌を食わせる方法です。
◇誘い下げ+ゼロテンション
落下してくる餌を見せる事で広い範囲のカワハギにアピールし、最後は底で勝負する方法です。
◇タタキ+宙釣り
カワハギも居るが外道も多いとき、底でアピールした後で仕掛けを浮かせる事で外道の邪魔を排除し、カワハギとの勝負に集中します。
ここまではほんの一例です。他にもいろいろな組み合わせで釣りをしている方が居ます。
しかし最初からいろいろやろうとしてしまうと、かえって遠回りになりかねません
自分が得意な動作、もしくはやってみたい動作を決めてそこから少しずつ発展させていくのがやりやすいと思いますよ!
カワハギを掛ける時(アワせる時)は、竿先だけでなく、竿全体を持ち上げるようなイメージで行いましょう。
アタリが出た瞬間にバシッとアワせてしまう釣り方(いわゆる電撃フッキング)もあるにはあるのですが、初めから取り入れるのは奨めません。
また、ドラグは大型の魚が掛かった場合以外は使用する(緩める)必要は無いと思います。
これは自分の感覚ですが、ドラグを効かせ過ぎていると、魚を掛けた時の針の刺さりが弱くなってかえってバレる事が増える気がします。
さて巻き上げです。
ここでポイントとなるのはカワハギの引き方(暴れ方)の特徴です。
カワハギは「金属的」とも表現される程の強く、そして叩くような引きをみせるのですが、一旦大人しくなると全く引かなくなったりもして、非常にメリハリがある引きをすると言えます。
小物釣りは全般的に「常に一定ペースで巻く」のがセオリー化していますが、メリハリのある引きをするカワハギにはそれに合わせた巻き上げで対応する必要があります。
何やら小難しく書いてしまいましたが、ようするに
「大人しい時はそれなりのスピードで一定に、暴れている時はユックリと巻き上げる(もしくは止める)」
ということです。
特に大型が掛かった時、暴れている間は無理に巻かない方が良いです。
竿のしなりを利用して上手く凌いで、大人しくなったら巻きましょう。
続いて水面での抜き上げですが、もし大型と分かっているのなら恥ずかしがらずに水面に魚が来る前にタモの用意をお願いしましょう。
水面で首を振って暴れられたり、横走りされたりするのが非常にバレやすいタイミングです。
なので、水面に置いておく時間は極力作らない事が望ましいのです。
小型でも、余程の引き込みでない限りは水面に来たら早めに抜き上げましょう。
より多く釣りたいのなら自分の釣りに集中するのは大切な事です。
が、それと同時に周りの状況もしっかり把握する事も大切です。
特に、好調に釣れている人はしっかりチェックしましょう。
・どんな釣り方か?(宙釣り?弛ませ?等)
・釣れている棚は?(←宙釣りの場合)
・中錘等のアイテムは付いているか
・どの位置の針に釣れているか
・キャストしているのか
・竿は硬めか柔らかめか
等々、参考になりそうな事は遠目にでもドンドン確認しましょう。
カワハギ釣りは日や時間帯によって適切な釣り方が変わります。これは様々な釣りの中でもカワハギ釣りが非常に顕著です。
ただし、終日人真似で過ごしてはいけません。何の自信にもなりませんし、振り回されて終わってしまう可能性があります。あくまで「参考」です。
総じて言える事ですが、まず自分にとってベースとなる釣り方(自信を持ってやれる釣り方)を1つ持つことが大切です。
それと平行して、他の釣り方も少しずつかじっておく、出来るようにしておいても決して損はしないはずです。
『潮先』という言葉を聞いた事がある方は多いと思います。
しかし、「どういうこと??釣れてる場所(釣り座)が潮先?」と、実は何の事かよく分からない方も多いと思いますので、東京湾を用いてなるべく分かりやすく説明します。
まず潮(海水の流れと捉えて下さい)を考えてみて下さい。
海水浴や潮干狩りをしたことがあれば分かると思いますが、海には潮の満ち引きがあります。
若潮などの潮周りの小さい日を除き、基本的には1日に2度ずつ、「満潮」と「干潮」が交互にあります。
満潮は海水面が高い(潮が満ちている)時、干潮は海水面が低い(潮が引いている)時です。この満潮・干潮の時間などに関しては釣具店などで「潮見表」を手に入れて確認して下さい。
つまり、 『東京湾』というスケールで考えてみると、満潮→干潮への時間帯(これを『下げ潮』と言います)は、大まかに湾奥(北)→湾口(南)へと潮(要するに海水)が流れています。
逆に干潮→満潮への時間帯(これを『上げ潮』と言います)は湾口(南)→湾奥(北)へと流れているのです。
潮が流れているということは、そこに仕掛けを下ろせば当然ラインは潮が流れている方向に斜めになります。
これは太いライン・軽いオモリであるほど顕著です。
ラインが斜めに流されれば当然釣り辛くなりますし、混雑時にはオマツリが多発してしまいます。
なので船長はなるべくラインが立つように(真下へ向かうように)船を流そう、移動させようと努力してくれるわけです。
潮が船で言うトモ側(後ろ側)へ流れていればトモ側に船が移動します。
するとどうなるでしょう?
想像してみてください。
船が移動した側の釣り座だった人ほど、新しいポイント(場所)へ先に入っていくことになります。
回遊魚ならともかく、ポイントに居着いていたりする事が多いカワハギ釣りでは当然有利になりますね?(もしカサゴやマゴチ等の完全なる根魚なら間違いありません)
これが「潮先」の釣り座です。
そしてその逆の釣り座が「潮あと」になります。
こちらはポイントに後から入っていくのはもちろん、船下にラインがかっ込んでしまいがちなため不利になりやすいのです。
よって、潮先の釣り座に皆座りたがるのです。
さて、その釣り座を判断するにはもう1つ、船の向きが分からなければなりません。
基本的に船は帆(スパンカー)を立てて安定させています(※完全なベタ凪の日に限っては立てないこともあります)。
つまり、ある程度風が吹いていれば船は風に向かう方向に常に向いているのです。
北風(北から吹く風)なら北に、南風なら南に向くわけです。
こちらは簡単ですね?
ではここからは2つの要素を合わせて、東京湾を舞台に考えてみましょう。
北風の下げ潮の場合の潮先釣り座は船のどこでしょう?
船は北へ向き、潮は南へ流れていますから、トモ側(船の後ろ側)です。
では西風の上げ潮の時はどうでしょうか?
船は西へ向き、潮は北へ流れていますから右舷側(船の右側)になります。
なんとなく分かってきましたか?
しかしながら、これは大筋の考え方です。同じ東京湾でも竹岡沖・剣崎沖・久里浜沖などポイントによって潮の流れる向きやスピードに多少違いがあります。
つまり、ポイントによっては潮はシンプルに北←→南ではなく、北東←→南西方向の流れ方をしたりするので、一生懸命考えても船の移動先によって必ず誤差が生じるのです。
とは言っても毎回船長に行く先を事細かに聞くわけにもいきませんから、このあたりの誤差は経験で考えていただくしかないと思います。
注意点として、前述したように満潮・干潮は1日に2度ずつありますので、1日(例えば8時~15時まで)釣りしていれば大抵は上げ潮←→下げ潮が切り替わる時間が訪れます。
もし風向きが1日ずっと同じなら、単純に潮先もひっくり返るわけです。
ではここまでの事を踏まえて例題を出しますので、考え方を練習してみてください。(※舞台を東京湾、実釣時間は8時~15時、潮は上げ潮なら南→北へ、下げ潮なら北→南へシンプルに流れていると仮定します)
◆問1
満潮6:30、干潮12:30
風は1日中南風
この場合の潮先は?
答
12:30までミヨシ(船の前側)が潮先、その後はトモ(船の後ろ側)が潮先
◆問2
干潮10:00、満潮16:00
風は1日中西風
この場合の潮先は?
答
10:00まで左舷、その後はずっと右舷
◆問3
干潮9:00、満潮15:30
風は正午まで北風、その後は東風
この場合の潮先は?
答
朝9:00までトモ、その後正午までミヨシ、東風に変わってからは左舷
※この場合は1日で考えると左舷ミヨシが良いですね
どうでしたか?ちょっと難しいですよね(^^;)
もう1つ注意点としては港前などの超浅場でやる場合や、ポイントが無風状態の場合などは船は前へ少しずつ移動という形を取り続ける事があります。
このケースではミヨシが有利となります。
ちなみに剣崎沖等のように根が多く小さなポイントが点在している場所では潮先・潮あとの違いは釣果に顕著に出ます。が、竹岡沖等は砂地でポイントが薄く広くなっているので、剣崎沖に比べるとそこまで大差はつきません。
これが東京湾での大会等で竹岡沖が好まれる理由の1つです。
ちょっと大々的に潮先を評価してしまいました・・確かに潮先の釣り座は有利です。
潮先と潮あとで同じ人が全く同じ釣り方をすればほぼ間違いなく潮先の方が釣果は上がるでしょう。
しかし、このハンデは釣り手の努力で縮める事はもちろん不可能ではありません。
レベルの高いメンバーと同船した場合は確かに厳しい部分もありますが、それを跳ね返す名手を僕は何人も見てきました。
明らかに渋い釣りになることが見えている日や、お土産が確実に欲しい日は潮先釣り座を確保することは大いに結構だと思います。
が、もし将来的に大会などで好結果を残せるような名手を目指すのであれば、どんな釣り座でも対応出来るように釣り座を選ばず練習しましょう。
常に胴の間に座って自分を高めている名手もいらっしゃいますよ。
カワハギを釣るにあたって避けて通れないものと言えば、そう!外道です(^^;)
海底にみんなで餌をぶら下げてるわけですから、致し方ない部分があるわけですが、これらの外道をアタリで見分けたり、避けたりする事ができれば釣果アップに繋がることは明らかです。
ここでは主な外道達の特徴、及びアタリや引きによる見分け方などについて紹介します。
◆ベラ
外道の中でトップクラスに多いのがコイツです。東京湾では主にササノハベラとキュウセンが居ます。
多くは群れており、根がキツい場所や漁礁の上などに比較的多数存在します。
なので、ひどい時は船中でベラ祭り状態になることも(汗)
よくカワハギのアタリ方として紹介される「カツカツ」というアタリが出るため、最初は騙されると思います。
が、慣れてくれば分かりますがカワハギに比べると乱暴な(いうなれば「ガツガツ」という)アタリ方をしますので比較的ラインを張った釣り方ならばある程度判別出来るようになると思います。
掛けてしまったあとの違いとしては、カワハギは引く(抵抗する)時とおとなしい時とのメリハリがありますが、ベラにはカワハギほどのメリハリはありません。終始引いてることが多いです。
ベラはあまりにも大量に居るときはどうしようもありませんが、底から仕掛けを浮かせて釣り(宙釣り)をすればある程度は避けられます。
50センチより1メートル、底から仕掛けを浮かせれば浮かせるほどベラは避けられますが、浮かせ過ぎるとこんどはカワハギのアタリも出なくなって元も子も無くなりますので、タナを上手く見極められるようになりましょう。
◆トラギス
ベラと1、2を争うほど多い外道がトラギスです。東京湾では主にクラカケトラギス(黒のシマシマ・画像上)とトラギス(赤・画像下)がいます。
トラギスは比較的アタリを判別しやすいです。主に細かく「ブルブルッ」としたアタリが出ます。
ハゼ釣りをシモリもしくはミャク釣りでした事がある方は、あんなアタリが出ると思って下さい。
大抵は底で餌を待っているため(ベラの項でも書いたように)仕掛けを浮かせれば、ベラより容易に避けられます。
しかし、判別しやすいとは言っても底での釣り(弛ませ、這わせ)のみを主体とする釣り人にとっては正直なところ邪魔この上ない外道です。
どうしても底での釣りに固執する場合は、一つ二つ餌が減るのは覚悟でトラギスのアタリはスルー(アワせないで)してカワハギのアタリを待つしかないかと思います。
なお、弛ませからの聞きアワせで大型のトラギスが掛かった場合は初動から巻き上げ中までカワハギに非常に似ています(僕自身は未だにこれには高確率で騙されます)ので、水面でガッカリとなっても挫けずに・・・
◆ウマヅラハギ・ヨソギ
水面まで上げてきて一番ガッカリなのがこのハギ系の外道。
特にウマヅラハギはアタリから引きまで大型のカワハギともはや判別不可能です(^^;)
強いて言えばウマヅラハギは比較的深場にちょっと浮き気味(底から1~2メートル)に居る事が多いと感じます。
なので仮に連発してしまうようなら、少し攻めるタナを変えてみるのも手です。
ただ、これらの外道が釣れるということはアワセのタイミングは間違ってはいませんし、ウマヅラハギに関しては見た目は悪いですが余程の食通でなければ食べてもそこまで味の判別はできないと思います。
大会だったらショックですが、乗合ならまぁ許せる外道にしてあげてください(^^;)
◆フグ
ショウサイフグ・クサフグ・サバフグ・キタマクラなど、フグ系の魚も外道としてはお馴染みです。
強い引きの魚が掛かったけど、途中でバレてしまい、仕掛けを上げてみたらハリの根本でハリス切れになっていた・・・。なんて時はフグの可能性が高いです。
鋭いフグの歯で切られているわけですが、こうなるとハリを付け直す必要があるためタイムロスになります。
ただ、通常は外道としてのフグは1日に1~2匹釣れるかどうか程度なので特に対策を練る必要は無いでしょう。
稀にフグばかりのポイントに当たってしまう事もあります(僕自身は過去に2~3度程ありました)。
この場合「避ける方法は?」と聞かれても難しいのですが、1つ覚えておいて欲しい事があります。
フグが途中でバレたにしろ釣れ上がったにしろ、ハリスに痛みがないかの確認をする事です。(タチウオ釣りをする方なら言いたいことは分かりますよね?)
傷があったまま再投入し、次に掛かったのがもし良型のカワハギだったら!?
悔やんでも悔やみきれませんので・・
◆カサゴ系
竹岡沖の漁礁、及び野比沖などに多いのがカサゴです。他にも根がある場所では小型のオニカサゴ(画像)やオコゼなども居ます。
底でじっとして餌を待っているので、底釣りしていて聞き上げた時に掛かる事が多いように思います。
特に良型のカサゴは掛かったあとの初動が良型のカワハギに似ているので、掛けた瞬間は「おっ!」と思いますが、巻き上げ中は重いだけで全然引かない為すぐに違うと判断できます。
結果としては残念ですが、こちらもそこまで大量に居る外道ではないのであえて避け方を研究するまでもないでしょう。
食べて美味しい外道とポジティブに考えるのも良いのでは・・。
ただし、オニカサゴ・ハオコゼなどはヒレに毒のある棘を持っていますから、迂濶に触らないよう気をつけて!
そういう意味ではペンチやハサミを持っていればロスタイムは減らせますね。
主な外道はこのくらいでしょうか・・。
他にも自分が釣った経験がある魚だけでも、カゴカキダイ・イシガキダイ・ネンブツダイ・リュウグウハゼ・マダコ・ホウボウ・シロギス・メゴチなどがいます。
外道が数・種類共に多いのもこの釣りの特徴とも言えるでしょう。
「外道なんて一切居なければいいのに!」という人もいますし、「外道がいるからいろいろあって飽きなくて楽しいんだよ」という人もいます。
とにかく、皆さんがどちらの意見であれ外道たちもそこには沢山いますので、その中から頑張ってカワハギのアタリを探し出して釣って下さい。
ここでは錘・中錘・集魚板などのアイテムについて紹介します。
●錘
これは誰でも付けるもので、通常は25~30号を使います。現在では様々な形・色の物が販売されています。
通常の鉛製の物(小田原型・ナス型など)でも釣りには問題ありませんが、これだけ様々な種類が売られているのには当然理由があります。
カワハギ釣りの水中映像を見た方なら分かると思いますが、カワハギは錘に対して大いに反応し、寄ってくる習性があるのです。
ただ実際問題、どの色に一番興味を示すのかは分かっていません(というより日によるのかもしれません)。そのため様々な色の錘があり、中にはラメ入り・蛍光もあり、極端な物では電池入りで発光する錘も見掛けました。
色に関しては好みで選んでもらってよいですが、カワハギ釣りは根掛かりで錘をなくすことも多いのであまり高いもの(高いと1個で500円以上の物も珍しくありません)を選ぶことはないと思います。
形に関しては少し考えましょう。丸型・六角型・カジ付きなどがありますが、それぞれに利点・欠点があります。
丸型に関しては、他の形の錘に比べて底で安定しやすい(どの向きで落ちていても寝たり起きたりが無い)と言えます。ただ、速潮時には海底で錘が転がりやすく小さな根に当たると魚のアタリのような感覚があるのが嫌われます。
六角型(六宝型)等の面のある錘は海底で転がりにくい利点がありますが、仕掛けとの接続部が底につく事が多いので丸型に比べると根掛かりのリスクが少し高いと感じます。
カジ付きに関しては他の形状に比べて水を切るので、根歩き(錘を持ち上げて海底での錘の位置を変える事)させる時や宙釣りに便利で、一番糸を真下へ真っ直ぐにしやすいです。
ただし、通常の錘はどの面から見ても同じ形ですが、唯一そうならないのがこの形です。そのため時々違和感を感じるケースがあるのを嫌う人もいます。
●中錘
釣り方の項目でも書きましたがタタキや弛ませ等、仕掛けを操作する釣り方において支点になる重要なアイテムです。潮の速さ等に応じて重さを変えます。
大きく分けて、接続にサルカンを使うタイプと、ガンダマのように仕掛けの幹糸に噛ませるタイプがあります。
ガンダマタイプに関してはサルカンを介さないので、感度重視で仕掛けの直結に拘る人には好かれます。
また、噛ませる位置を自由に変えられるのも利点ですが、しっかり付けないと激しい動作では外れてしまうのが欠点です。
サルカンを介するタイプは接続も簡単ですし、まず外れないので初めての人は扱いやすいでしょう。
また、大半はビーズ等を詰めてあって集魚効果も兼任してくれます。
カワハギは、刺身・肝和え・煮付けなど様々な調理法があります。
いずれにせよ釣った後にしっかり処理しておく(シメておく)ことで、より美味しく食べる事が出来ます。
シメる作業をするかしないかは、カワハギの食に欠かせない「肝」の質には特に大きく影響します。
「シメる」とは要するに血抜きです。血を抜く事で、カワハギの死後に身や肝が血生臭くなることを防ぐ事ができるのです。
やり方はさほど難しくありません。
カワハギを釣り上げたら、元気なうちにエラを傷つけます。
ナイフか何かでエラを刺せば良いのですが、なるべくなら中骨付近(動脈が近くにある)を傷つけましょう。
僕自身はアサリ剥きナイフで左右のエラからエラへ刺し抜くだけで行っています。それでも充分です。
如何だったでしょうか?
今回は「入門編~中級編」のつもりで書きましたので、なるべくマニアックな事は排除しました。
皆さんのカワハギ釣りに少しでも役にたてばと思います。
また、今回は記載は見送りましたが、もし僕の釣り方に関して聞きたいことなどありましたら気軽に声をかけてください☆
僕自身は今後も研究を続けていくつもりですが、仮に何十年続けたとしてもカワハギ釣りを完璧に研究し尽くすことはおそらく不可能だと思います。
でも、100%の答えが出ないからこその楽しさがそこにはあり、それが釣り人を魅力する一因であるのは間違いありません。
長くなりましたが、最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。
2010-10/26 文・浅居
2010-12/21 写真・動画アップ
2011-1/8 写真アップ
2013-6/4 リニューアル・文・画像追加